(簿記入門講座)減価償却っなに?ボックスを書いて理解&計算!
ギタリストのaさんが30万円のギターを買いました。このギターはだいたい5年使えます。5年経つと、大体10パーセントくらいで売れます。
これが簿記の問題になると、
ギタリストのAさんは、30万円のギターを買いました。このギターは、耐用年数5年、残存価額は10パーセント、定額法で償却する。
といった感じになります。
減価償却は、よく数式を書いて計算しましょう、とテキストには書いているかと思います。
この問題だと、
300,000×0.9÷5=54,000
が、年間の減価償却費です。
数式を丸暗記してしまえば済む話ですが、皆さんは何のために減価償却をするのか理解していますか?
減価償却はボックスを書いてイメージすると良いです。
5年間、仕事で使ってお金を稼ぐために30万円出して買ったのだから、その30万円は買った年に全て経費にせず、使う期間で按分しましょう、というのが減価償却費の考え方です。
この時、残存価額を引いて計算しますね。残存価額とは、5年経ってボロボロになったから売ろうといった時に、その時売れるだろうと見込んだ価額です。ギターで言うと中古市場みたいなもんです。
減価償却は、ボックスを書いてイメージすることで、後々に出てくる論点でも役立ちますので、おススメです。
(簿記初心者講座)簿記の資産・負債・収益・費用は、借方貸方どっち?これだけ覚えればOK!
勘定科目の貸方借方について
簿記 3 級の最初の壁、仕訳の貸借ってどっちに書けばいいのってなりますよね。
テキストを開くと、こんな図を使って解説しているかと思います。
こういう図を暗記して、資産増えたらうれしいから左ってことは
売上も増えたらうれしいから左だなって思ったら右だった、
なんて思った人も多いはず。
このよくある図を暗記しているだけだと、勉強が進むとだんだん混乱してくるんじゃないかと思います。
この貸借、ひとつだけ覚えてしまえば、基本的に貸借で迷うことはなくなります。
それは、
現金(預金)の位置だけを覚える
現金(預金)は増えたら左、減ったら右。
これだけです。
ほんとこれだけ。
例えば、商品を 100 円で売りました。
現金は増えますね。仕訳にすると、
現金/
あとは、空いた箇所に「売上」と入れるだけ。
仕訳にすると、
現金/売上
これで完成です。売上は右左で悩むことなんてないでしょう?
仕入れや経費の支払いも同じです。
例えば、商品を100円で仕入れました。
お金が減るので、右ですね。仕訳にすると
/現金
あとは空いた左側に「仕入」と入れるだけ
仕入/現金
費用項目もこれでバッチリ。簡単でしょう?
ipadを活用した簿記勉強法
私の勉強環境です。
基本的には、トレーニングシートをダウンロードしてNoteshelf2に取り込み。
あとはガシガシipadに解きまくるだけです。
簿記はトレーニングシートを使って勉強したほうが断然効率が良いです。しかしながら、トレーニングシートを使って何度も問題を解こうと思ったら、用紙をコピーするか、消せるボールペンで消したりするしかないはずです。これって結構面倒なんですよね。
私は貧乏性で面倒くさがりやなので、昔は大学ノートに書いて問題を解いていました。でもこれが意外に非効率で。簿記は解答要求を解答用紙から読み取る技術も必要なので、大学ノートだとこの作業ができません。
TACの教材でしたら、税理士講座も市販の問題集もTACのウェブページから簡単にDLすることが可能です。
また、ipadを使用した学習にはもう一つのメリットがあります。
このように、問題集のページを画像データでNoteshelf2に取り込み、直接書き込んでしまいまし。こうすることで、商品有高帳のような問題も、躊躇せずに、がしがし書き込んで問題を解くことができます。
有形固定資産の集計テクニック
今回は有形固定資産の解答テクニックを紹介します。
簿記検定でも税理士試験でも、有形固定資産の問題はほぼ100%出題されるので、確実に得点していきたい論点です。
例題
(出典:TAC 税理士試験 簿記論 個別問題集 8-6)
火災損失から資本的支出や買換など、てんこ盛りな設問ですが、ひとつひとつを分解して集計すればなんてことありません。
減価償却費の集計
まず最初に減価償却費の集計。各問で計算した減価償却費は、資料の脇に直接書き込んで集計します。ここでのポイントは、集計ゾーンを2列に分けること。2列に分けることで、減価償却累計額に加算する部分と累計額に加算しない部分(消失や売却した部分)に分けて集計することが可能です。今回の例題で私が集計したものですと、左側の合計を前T/Bに加算、左右の合計を、解答用紙の減価償却費の欄に直接書き込んでしまいます。
固定資産の災害損失
「火災により消失したってことは、火災損失か保険差益が出るなー。」
建物Aは火災により消失した、ということなので、災害損失の個別問題と推定できます。災害損失の場合、保険差益が出るか、火災損失が発生するかを計算する必要があります。
この場合は、余白に潔く仕訳を切って考えちゃいます。理由としては、損益どちらになるかを考える際、借方に発生したら火災損失、貸方に発生したら保険差益と、仕分けを切れば直感的に考えることができるからです。下手に図 なんかを作るより、ずっと効率が良いです。
資本的支出
「改修工事で耐用年数延びたってことは、資産計上分と修繕費計上分があるな。あとは改修後の減価償却。資本的支出分は残存0で既存の部分は残存耐用年数か。」
資本的支出の設問は、まず資産計上分と修繕費分を按分する必要がありますね。これは予備校でもオーソドックスなやりかたかと思います。余白にタイムテーブルを書いて按分しちゃいましょう。
あとは減価償却費。資本的支出分は電卓だけで計算しましたが、既存部分はボックスを書いて考えます。理由としては、残存価額が分からなくなってしまうから。よくやってしまうのが、未償却残に0.1を掛けて計算してしまいますが、これだと正しい焼却費が算出できません。確実にボックスを書いたほうが懸命です。
償却方法の変更
「定率から定額、ボックスを書いて、と。」
償却方法の変更は、資本的支出と同様、余白にボックスを書いて計算しましょう。本文では残存割合が0でしたが、理由は資本的支出と同様です。耐用年数が変更する問題は、基本的にボックスを書いて視覚的にイメージしたほうが、ミスも発生し難いと考えます。
固定資産の買換
「買換。仕訳書いて損益と新しく買った資産の簿価を出して。」
買換の設問でポイントとなるのは
1、売却損益
2、取得資産の簿価
の2点ですね。個人的には、潔く余白に仕訳を切っちゃうのが一番だと考えます。売却損益については、災害損失と同様に、仕訳なら感覚的に損益を把握できます。また、簿価の算出する際、問題文に現金支出額や仮払計上額が分かれば、仕訳を書くことで貸借が合うかチェックをすることができます。
以上が有形固定資産の問題を解くテクニックです。個別問題で発生した減価償却費を集計するのは大変ですが、資料と余白を上手に活用すれば、減価償却費および減価償却累計額を得点することはそんなに難しいことではありませんので、まずは個別問題を解けるように練習しましょう。
他にも、減損やリースなど、様々な論点がありますので、別の機会に紹介したいと考えます。
簿記試験におけるテクニックの重要性
簿記の問題を解いている時、いつも考えていることがありました。
「みんなどうやって解いてるんだろう。」
これは有価証券の評価の仕方ってどうやるんだろうとか、減損の回収可能額ってどうやって算出するんだろうとかっていう意味ではありません。これらは個別問題の反復練習で理解を深めることでどうにかなります。
私の疑問は、解いた問題を、どうやって整理しているかって話です。
長年簿記を勉強していると、やれ減損だ、やれリースだなんていった個別問題は解けるようになります。しかしながら、本試験では別です。
「減価償却累計額の集計間違った」
「売上値引を売上から引いてなかった」
「有価証券運用損益を転記してなかった」
これらは、個別問題が解けるレベルでも発生してしまうミスです。ミスの原因は、問題を解き終えたデータの整理が上手くいかなかったこと、つまり、問題を解くテクニックが身についていなかったことにあります。
簿記の問題は、アスリートちっくな部分があります。練習は本番のように、本番は練習のように、という言葉があるように、簿記の試験も、自分のいつも通りのやり方で問題を解くことが合格の鍵となるでしょう。そのために、「いつも通り問題を解くやり方」、言わばテクニックを身につける必要があります。
本ブログでは、問題を解く際の集計方法、メモの取り方、問題を解く時に私が考えることをまとめました。簿記試験に挑むみなさんの、少しでも力になれたらなと思います。